20 Oct 2017

本 // World Atlas of Golf: The greatest courses and how they are played // ルーティングも歴史も設計の基礎も

僕が持っているゴルフ本の中でどれがいちばん好きかと問われたら,たぶんこの本を挙げると思います。理由としては,サイズが大きい,イラストと写真が豊富,文章も豊富,有名なコースを数多く解説している,ホールの改装についても触れられている,そして何より,「コースのルーティングが分かる」からです。

World Atlas of Golf: The greatest courses and how they are played
Mark Rowlinson
Hamlyn
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例えば,ハリー・コルトを紹介した文章の中で,Pine Valleyの5番ホールのルーティングの話が出てきました。そもそもクラブのウェブサイトが見当たらないので,それがどういったホールなのか,ましてや18ホール全体の中でそれがどう位置づけられるのか見当もつかないのですが,この本にはもれなく18ホールの俯瞰図が載っており,つまりコースのルーティングが分かります。さらには本文の中でその5番ホールにも触れられており,

設計者のGeorge Crumpの当初の意図は,このホールを比較的短く,ウォーターハザードを越えたすぐのところにグリーンを配置するものだったが,その案はHarry Coltによって棄却された。Coltの提案は,グリーンを遠く,高い位置に持っていくことだった。結果として,ロングキャリーで,奥から手前に傾斜しているグリーンを捉えることが求められる。左に引っかけると林やバンカーが待ちかまえているが,ミスするならまだこちらサイドがいい。なぜならグリーン右のバンカー群は手強く,Gene Littleは1962年にバイロン・ネルソンと対戦したShell's Wonderful World of Golfの試合で,右のバンカーに入れ,このホールで8打叩いたのだ。

という具合に,短い文章の中でこのホール設計の背景と戦略,そこで生まれた歴史とが見事に凝縮されて紹介されているのです。

この他にも,Royal Lythamの17番ホールで1926年にボビー・ジョーンズが放ったミラクルショットの逸話が,大きなイラスト付きで紹介されていたり,North Berwick15番パー3の「Redan」についても,それがChalres Blair Macdonaldにコピーされたことも含め説明されていたり,ゴルフの発祥について,Prestwickのオリジナルの12ホールによるルーティングのイラストも含めて紹介されていたり,と,とにかくカバーしている範囲が広く,深く,それでいて適切です。

さらには,有名コースを紹介しているだけではなく,スコットランドならスコットランドなど,各地域における歴史と概説,その他おさえておくべきコースについても言及されています。その中には,イングランドでいえばRoyal West NorfolkやThe Addington,Wokingなど,ともすれば見落とされがちな,しかし理解を深めるためにはぜひとも知っておきたいコースについても触れられています。

いまリンク先のAmazonを見たらこれがなんと中古500円台で売られているようで,信じられません。

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