3 Jan 2017

本 // Play Strategic Golf: Course Navigation: How To Position Yourself To Score Like The Pros

「スイングを変えることなく,練習をすることなく,考え方を変えていくつかの戦略的な原則をゲームに持ち込むこと意外に何もしないで,次のラウンドでスコアを6から10減らせる」と謳うのが,この本です。

著者のエリック・ジョーンズは,PGAクラスAプロフェッショナルで,2014年の北カリフォルニア PGA Teacher of the Year。世界ロングドライブチャンピオンで優勝2度。スタンフォード大学でプレーヤーおよびコーチの経験あり。PGAプロとしては数少ない修士号を取得(スポーツ心理学)。

その著者が提唱する戦略をひとことで言えば「逆算」ということに尽きると思います。この本で面白かったのは,コース設計の観点(たとえば「戦略的」「ペナル」「ヒロイック」という分類)からも,コース戦略に迫っている点でした。


Birdie Press (2015-10-27)

  • 著者が「コース・マネジメント」ではなく「コース・ナビゲーション」と呼ぶ理由は,そこにすでにあるコースをマネージすることはできないから。
  • マネージできるのは,コースではなく自らの戦略。
  • マーク・トウェインが書いた,ミシシッピ川の船乗りの話。仲間の船乗りたちと川についての最新の情報を交換することで,ハザードに出くわす十分前に危険を回避する。
  • コース・ナビゲーションの第1の原則は,「次のショットをできるだけ易しいものにすること」。
  • レイアップするときは,コンサーバティブなクラブで,アグレッシブなスイングを。
  • よく設計されたコースは,リスク/リワードの要素を持つ。リスクをとったショットがうまくいくと,低いスコアや短いアプローチといったリワードがあるし,リスクをとったショットがうまくいかないと,ギャンブルしたことの報いを受ける。
  • ゴルファーがなすべきことは,コースの設計家がそのホールをデザインしたときに思い抱いていたことを見つけ出すこと。
  • アグレッシブにプレーしていいのは,そこからえられるリワードが冒すリスクに見合うもので,かつ,自分のショットの技術レベルの範囲内にある場合だけ。
  • 攻撃的なラインは低いスコアの可能性というリワードがあるが,そのトレードオフとして,ハザードがからんでくる。
  • 守備的なラインはハザードがからまない安全なショットであるが,そのトレードオフとして,通常は長いアプローチショットが残る。
  • 平均レベルのゴルファーがドライバーを取り出してリスキーな戦略をとるのをよく目にする。その理屈はたいてい,「ドライバーじゃないとグリーンにふたつで乗らないでしょ」というものだが,私の反応は,「そうだね,だけど,それがパーをとるための唯一の道じゃないよね」。
  • 設計家が難しい要素をホールに持ち込むとき,通常はそれが,そのホールの「強み」や「守り」と呼ばれる。ハザード,ドッグレッグ,マウンド,窪み,フェアウェイの傾斜,木,そして風向きさえも,ホールの潜在的な「強み」になる。そしてそれらは,ゴルファーの攻めに対する設計家側の守りなのだ。
  • 一方で,広いランディングエリア,フェアウェイの平らな部分,グリーンの平らな部分,ハザードや障害物がからまないアプローチのライン,これらはすべてそのホールの「ソフト」な要素,あるいは「弱み」である。このエリアこそが,ゴルファーが攻めていくべきところ。
  • ホールには,「戦略的」「ペナル」「ヒロイック」の3種類がある。自分がプレーしているホールがそのどれに当たるかを判断することが重要。
  • 一般的に,戦略的ホールは,プレースメントに重きを置く。一般的に,少なくともひとつの適度に安全なルートがあるが,それは普通最も長いルートになる。他のルートはハザードや障害物によって守られている。ドライバーでのティーショットが正しい選択になることはめったになく,なぜならミスショットの代償が高くつくから。ポジショニングが大切。
  • ペナル・ホールでは,ひとつの選択肢しかない。求められるショットを打つこと。ミスれば死亡。TPCソーグラスの17番パー3は典型的なペナル・ホール。実行力とコミットメントが重要なのが,ペナル・ホール。
  • ヒロイック・ホールでは,いくつかの選択肢がある。ペブルビーチの18番が典型例。安全なのは,右から攻めて2打目をグリーン手前にレイアップ。ヒロイックなショットは海超えのショートカットで,成功すれば2オンの可能性がある。
  • ショットにも「戦略的」「ペナル」「ヒロイック」があり,それは状況によって変わる。
  • ホールを「ショート」「ミディアム」「ロング」で分類することも有益。ショート・ホールは戦略的であることが多く,しっかりした守りの要素(狭いフェアウェイ,きついバンカリング,ハザード・コンプレックス,グリーンのきつい傾斜など)を持つ。ミディアム・ホールはショート・ホールに比べれば守りは比較的強くなく,ひとつだけ顕著な守りの要素を持つことが多い。ロング・ホールでは,距離自体が守りの要素になる。ティーショットにも選択肢が複数あり,アプローチショットも同様であり,高さを使う他に転がしでもってグリーンに乗せられる道がある。
  • グリーンだけを眺めない。グリーンを取り囲むすべての要素を見る。バンカー,木,水,スウェイル,マウンド,そしてラフ。これらすべてが固有の目的を持つ。そしてこれらすべてが合わさって,「グリーン・コンプレックス」と呼ばれるものを形成する。
  • 自らに問いかける3つの質問は,「そのショットが求めるものはなにか?」「自分はそのショットが打てるか?」「それにコミットできるか?」
  • ゴルフのことわざに,「Aim small to miss small」というのがある。(目標が小さければミスも小さい)
  • 多くのPGAツアープロが採用しているコースナビゲーション戦略に,「ライン」という概念がある。フェアウェイに想像上の縦の線を引いて,その片側だけ(安全なサイド)でプレーするというもの。
  • ストロークインデックスが1や2にようなタフなホールには,打ちのめされないことを考える。
  • まとめ:
    • 次のショットができるだけ簡単になるように,今のショットを計画する
    • カップからティーに逆算して,ホールごとに戦略を立てる
    • 簡単なピンだけアタックする
    • ホールの弱い部分に対して,自分の強みでもってプレーしていく
    • 特定のターゲットに向かって打つ
    • コースの中の最も難しいホールに対して,明確な戦略でプレーする,あるいは少なくとも戦略を持つ

2 comments:

  1. これねー、ホントそう思うんですよね。

    だけど、絶好のティーショットの良い状態のフェアウエーからいきなりどシャンクが出たり、安全に運んだ花道からの安全なはずのチップショット(ピッチショットではなく)でトップしてしまいグリーンオーバーで奥のバンカー入り、とかやっちゃう調子の日だと、台無しなんですよねー。(x_x)
    マジで。

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    1. そういうの,よくありますよね。しかしそれでも,与えられた状況を新たなスタート地点として最善の逆算を積み重ねていくしかないんでしょうね……

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