13 Mar 2016

イギリスゴルフ #119 // Royal Ashdown Forest Golf Club - Old Course // バンカーレスはどれだけのものか

Royal Ashdown Forest Golf Club,そのふたつあるコース(OldとWest)のうちメインコースであるOldコースを語るときに必ずついてくる形容詞が,bunkerless,要するにバンカーがないということなんです。

例えばこれ。UKのゴルフ雑誌による,「バンカーレスのコース,ベスト5」という記事です。その中でRoyal Ashdown ForestのOldコースは,「arguably the finest bunkerless test of golf anywhere」,つまり「ほぼ間違いなく,他のどこよりも良いバンカーレスのコース」と書かれています。

Five Of The Best Bunkerless Courses // GOLF Monthly
http://www.golf-monthly.co.uk/courses/uk-and-ireland/five-of-the-best-bunkerless-courses-142514
The course works its way out and up onto ancient heathland, and there is simply no need for sand as the heather, especially when in bloom, is a far more dangerous and tougher hazard from which to extract a golf ball.

コースは古いヘザーランドの上に走り,単純にバンカーを必要としない。なぜならヘザーが,特にそれが満開のときは,ボールを脱出させるのに遥かに危険でタフなハザードになりうるからだ。


ということで,行ってみました。が,当日は濃霧の影響でスタートが数時間遅れました。5メートル先が見えません。


なんとかプレーがスタート。1番はストレートなパー4です。フェアウェイは左から右に傾斜。


グリーンも大きく傾斜。確かにバンカーがありませんが,まだこれは序の口です。


2番,ティーショットが打ち上げになるパー4。


これは何と呼んだらいいのか。フェアウェイを木の板が横切ります。


3番パー4。グリーン手前に,ご覧の通りのヘザーです。


5番,まっすぐに打ち下ろしていくパー5。バンカーはないけどウォーターハザードはあります。


6番パー3も同様ですね。


7番,打ち上げで右ドッグレッグのパー4。ここも特に右が一面のヘザーです。


8番パー5。ここはグリーン手前がご覧の通りで,確かにバンカーがなくても十分にタフでした。でもこれってやっぱりヘザーという植生あってこそだよなぁと。


9番パー3。少なくとも,ティーからグリーンまでしっかり芝が狩られている日本のパー3ホールとは違います。


10番,ストレートなパー5。ここは打ち上げなこともあり,距離自体がタフさを出しているかたちですね。


11番パー3。打ち下ろしとはいえ,スコアカード上は249ヤードあります。わはは。


12番パー5。ダウンスロープで,フェアウェイは右から左に傾斜。ここはヘザーが戦略的にバンカー代わりに配置されている感じです。


13番,打ち上げのパー4。クロスバンカーならぬ,クロスヘザーとでも言いましょうか。フェアウェイをヘザーが横切ります。


14番パー3。学校の遠足のような,子供たちの集団がいました。


15番パー4。距離はないですが,グリーンがご覧の通りガードされています。


17番,距離の長いパー4。ここは面白いですね。グリーン右手前からのスロープを利用してグリーンを捉えたいところ。


これが18番,打ち上げのパー4です。

ということで,ラウンド中はバンカーレスであることを一瞬忘れるぐらいで,それはきっとヘザーがしっかりとハザードになっていてタフに感じられたからだと思います。一方で,Tom Doakがどこかで書いていましたが(たぶん下の本だと思う),少しだけバンカーを配置したらもっと面白くなるホールがあることも事実です。


そういう意味では,bunlerlessである事実は少しoverratedだと思うのですが,とはいえひとつのコース設計のあり方として,興味深い例であるのは確かです。


13 March 2016

12 Mar 2016

イギリスゴルフ #118 // Swinley Forest Golf Club // ハリー・コルトの “least bad” なコース

どれだけこの瞬間を待ち望んだことか。

Swinley Forest Golf Club。ロンドン南西のAscotに位置する,超プライベートなゴルフクラブ。皇族や首相や外交官や企業のトップたちがメンバーで,年会費というものはなく,毎年年末にその日にかかった経費をメンバーに請求するという噂。世界TOP100に必ずランクインする,ヘザーランドコース。"The Confidential Guide to Golf Courses"でも,18ある"The Groumet's Choice"に選ばれ,4人の共著者の評価は8/8/9/8。1910年に設計したハリー・コルトいわく,彼にとって “least bad” なコース……。

ウェブサイトもない中で,まして知っているメンバー(あるいはメンバーを知ってそうな知り合い)もいない中で,わずかな希望をかけて,Instagramのプロフィール欄に「Swinley Forestでラウンドしたい」と記しておくこと数ヶ月。そしたらある日,フォロワーのひとりから「電話したらビジターでもティータイムをアレンジしてもらえるみたいだよ」とのメッセージを受け取りました。恐る恐る電話してみたら,なんとその通りで,教えてもらったアドレスにメールしてティータイムをゲット。そしてついにこのラウンドにこぎつけました。


1番,打ち上げでストレートなパー4からスタート。右に見えるのは18番ホールのフェアウェイです。


2番もパー4。フェアウェイの入り口が小さなマウンド&ヘザー&バンカー。


2番のアプローチ。ヘザーがハザード代わりになっています。


3番もパー4。シンプル,ではあるのですが,あるいはそれゆえの造形美が感じられます。


4番,このコース最初のパー3。さすが,パー3設計の名手,ハリー・コルトといったところ。グリーン手前はスロープ,右のバンカーはグリーンからは少しだけ離れている。


5番,右ドッグレッグのパー5,軽い打ち下ろし。この雄大さと美しさよ。


6番,アップヒルのパー4。奥に見えるのは7番ホール。


7番もアップヒルのパー4。6番よりスロープが急でしょうか。フェアウェイ中央に大きなバンカーが横切ります。


8番パー3。このへんから,どんどんコースが面白くなっていきます。


9番,左ドッグレッグのパー4。珍しく,狙い通りのドローボールが打てました。


その9番のグリーン。


10番,長いパー3。中央に見えるバンカーは,実際はグリーンから少し距離があります。


11番,短いパー4。レギュラーティーからはこの光景でドライバブルなのですが…


……バックティーからはこの光景。フェアウェイがまったく見えません。


12番,左に折れて右に折れるパー4。軽い打ち下ろし。ホールのすべてが見渡せるだけに,どのルートで行こうか迷わされます。


13番,パー3。


14番,パー4。グリーンに対しては左側からアプローチしたいのですが,フェアウェイ左にこのバンカーが待ち構えています。


15番,打ち上げのパー5。グリーンに近づくほどスロープが急になります。


その15番のグリーンからフェアウェイ方向を見下ろしたところ。ずっとここにいたい…。


16番パー4。グリーンは明らかな2段グリーンです。


17番パー3。これまた,右手前のバンカーが,微妙に距離感を狂わせます。


18番パー4でおしまい。

ラウンドを通じて思ったことは,ここはメンバーとしてプレーするのに最適だな,ということです。毎日でのプレーしたくなるほどの面白さがあるのに,くどさがないし,過剰なタフさもない。エクスクルーシブな雰囲気の中で,気の合う仲間たちと,あるいは大事な人たちと,ゆっくりとプレーを楽しむ。そんな目的に最高に適ったコースだな,と思います。

いつの日かまた,ここを訪れられる機会があることを願って。


12 March 2016

9 Mar 2016

WITB // シャール・シュワーツェルのクラブセッティング // 2016年2月18日現在 // Northern Trust Open

Northern Trust Open 時点での,シャール・シュワーツェルのクラブセッティングです。



2016年2月18日現在 // Northern Trust Open
  • ドライバー // Nike Vapor Fly Pro / ロフト 11.5度 / シャフト Aldila Rogue Silver Limited Edition 70TX
  • 3W // Nike Vapor Fly / ロフト 13度を14度に設定 / シャフト Aldila Rogue Tour Silver Limited Edition 80TX
  • 5W // Nike VR Pro Limited Edition / ロフト 19度 / シャフト Mitsubishi Rayon Diamana S+ 83X
  • アイアン // Nike MM Prototype (2), Nike Vapor Pro Combo (3-PW) / シャフト True Temper Dynamic Gold SuperLight X100
  • ウェッジ // Nike VR Forged / ロフト 54度,60度 / シャフト True Temper Dynamic Gold S400 Tour Issue
  • パター // Nike Method Origin B1-01

ソース:
http://www.golfwrx.com/308984/charl-schwartzel-witb-2015/

過去のWITB:
WITB // シャール・シュワーツェルのクラブセッティング // 2015年11月29日現在 // Alfred Dunhill Championship


WITB // ヘンリク・ステンソンのクラブセッティング // 2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship

WGCキャデラック選手権時点でのヘンリク・ステンソンのクラブセッティングです。FWのシャフトは Grafalloy Blue から変わっておりません。



2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship
  • ドライバー // Callaway XR 16 / ロフト 9度 / シャフト Oban Kiyoshi Tour Limited 60X (05 Flex)
  • 3W // Callaway XR 16 / ロフト 14度 / シャフト Grafalloy Blue (X-Flex)
  • 4W // Callaway XR 16 / ロフト 17度 / シャフト Grafalloy Blue (X-Flex)
  • アイアン // Callaway Legacy Black (3-PW) / シャフト Nippon N.S. Pro Modus3 Tour 120X
  • ウェッジ // Callaway MD3 Milled (52-10 S-Grind, 58-8 C-Grind) / シャフト Nippon N.S. Pro Modus3 Tour 120X
  • パター // Odyssey White Hot XG #7H
  • ボール // Titleist ProV1X
ソース:
http://www.golfwrx.com/362074/henrik-stenson-witb-2016/

過去のWITB:
WITB // ヘンリク・ステンソンのクラブセッティング // 2015年3月22日現在 // アーノルド・パーマー・インビテーショナル
WITB // ヘンリク・ステンソンのクラブセッティング // 2014年8月10日現在 // 全米プロ選手権

5 Mar 2016

WITB // デビッド・リングマースのクラブセッティング // 2016年2月11日現在 // AT&T Pebble Beach Pro-Am

デビッド・リングマース。今シーズンは,今のところ Sony Open の T13 が最高です。



2016年2月11日現在 // AT&T Pebble Beach Pro-Am
  • ドライバー // Ping G / ロフト 9度 / シャフト Aldila Rogue Tour Silver 60TX / 長さ 45.25インチ(0.5インチ チップカット) / スイングウェイト D4
  • 3W // Ping G / ロフト 14.35度 / シャフト Aldila Rogue Tour I/O 70TX / 長さ 42.5インチ(0.5インチ チップカット) / スイングウェイト D2
  • ハイブリッド // Ping Anser / ロフト 17.5度 / シャフト Matrix Ozik Altus (X-Flex) / スイングウェイト D2
  • アイアン // Ping i25 (4-PW) / シャフト Ping ZZ65 with Cushin Insert (hard-stepped) / スイングウェイト D1 / ロフト 1度ストロング
  • ウェッジ // Ping Glide / ロフト 50度を50.5度に,54SSを55度に,60SS / シャフト Ping ZZ65 with Cushin Insert (hard-stepped) / スイングウェイト D3+ (50), D4 (54), D4+ (60)
  • パター // Ping Cadence TR Ketsch Traditional / 長さ 32インチ / ライ角 70度 / ロフト 2.5度

ソース:
http://www.golfwrx.com/353066/david-lingmerth-witb-2016/

過去のWITB:
WITB // デビッド・リングマースのクラブセッティング // 2015年6月7日現在 // Memorial Tournament

WITB // クリス・ウッドのクラブセッティング // 2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship

ミズノアイアンのショーケースのような,クリス・ウッドのクラブセッティングです。



2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship
  • ドライバー // Callaway Great Big Bertha / ロフト 9度 / シャフト Mitsubishi Rayon Diamana D+ 60TX
  • 3W // Callaway XR 16 / ロフト 15度 / シャフト Mitsubishi Rayon Diamana D+ 70TX
  • 5W // Mizuno JPX EZ / ロフト 18度 / シャフト Mitsubishi Rayon Diamana D+ 80TX
  • アイアン // Mizuno MP 25 (3-4), Mizuno MP 4 (5-PW) / シャフト True Temper Project X Flighted 7.0
  • ウェッジ // Mizuno MP T-5 (52, 56, 60) / シャフト True Temper Project X Flighted 6.5
  • パター // Odyssey Versa #7

ソース:
http://www.golfwrx.com/309274/chris-wood-witb-2015/

過去のWITB:
WITB // クリス・ウッドのクラブセッティング // 2015年6月14日現在 // Lyoness Open in Austria

WITB // 宮里優作のクラブセッティング // 2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship

WGCキャデラック選手権に出ている宮里優作のクラブセッティングです。アイアンはミズノのMP-4なんだな。



2016年3月3日現在 // WGC Cadillac Championship
  • ドライバー // Bridgestone JGR/ ロフト 9.5度 / シャフト Graphite Design Tour AD-MJ 7TX
  • 3W // Callaway Big Bertha Alpha 815 / ロフト 14度 / シャフト Graphite Design Tour AD-BB 8TX
  • ハイブリッド // Titleist 915H / ロフト 18度 / シャフト Graphite Design Tour AD-UT 95TX
  • アイアン // Mizuno MP-4 (3-PW) / シャフト Nippon N.S. Pro Modus Prototype (X-Flex)
  • ウェッジ // Bridgestone U39 / ロフト 52度,59度 / シャフト Nippon N.S. Pro Modus Prototype (X-Flex)
  • パター // Scotty Cameron Super Rat Concept 1 GSS Insert

ソース:
http://www.golfwrx.com/360764/yusaku-miyazato-witb-2016/

4 Mar 2016

イギリスゴルフ #117 // Rye Golf Club // 超プライベートクラブのホスピタリティに感動

イングランドの南海岸,East SussexにあるリンクスコースのRye Golf Club。非常にExclusiveなコースなのでプレーするのは難しいかなとずっと思っていたのですが,丁寧なメールを書いてお願いしてみたら,平日ならビジターでもプレーできるよ,とのこと。セクレタリーの方が代わられてから,少しずつオープンなコースにされてつつある,という話をききました。

http://www.ryegolfclub.co.uk/

開設は1894年。OxfordとCambridgeのGolfing Societyによる年1回の対戦「President's Putter」が開催されるのも,このRye Golf Clubです。毎年1月に行なわれるので,雪の中でプレーされたこともあるのだとか。


「Member's Only」です,本当は。

Tom Doak "The Confidential Guide" では,このRyeは18個ある「The Gourmet's Choice」のひとつに選ばれています。そこでのコメントによると,このコースは確かにハリー・コルトによって設計されたのですが,当時のコルトはまだ職業としての設計家を始める前,つまり弁護士の趣味として行なわれたようです。


そのコルト,初代1894年のキャプテンだったらしいですね。

もうひとつ "The Confidential Guide" に興味深いことが書かれていました。今のコースがあるエリアというのは,その大半がもともとは海であって,たとえば現在海岸から300メートルほど離れている13番ホールのグリーンも,1894年当時は海だったというのですね。結局,海(Rye Harbour)から砂が絶え間なく海岸に打ち寄せられるために,どんどん海岸線が後退していったようなのです。


さて,ティーオフ。コースは,9番を終えていちどクラブハウスに戻ってくる,ふたつのループになっています。


1番から3番までは,左手の道路に沿って進むかたち。最初はパー5。緊張感をときほぐす,ジェントルなホールです。


2番パー3。中央がグリーン。微妙なアンジュレーションの中にあります。右手前に見えるのは4番ホールのグリーン。


4番で折り返し。それまでの3ホールの右手にあった狭いリッジの上を進んでいきます。方向性重視で,ティーショットも2打目も5番ウッド。なんとかパー奪取。


5番パー3は,そのリッジの上のティーから,別のリッジの上にあるグリーンに。


6番パー4でまた斜め後ろに方向を変えます。ティーショットはリッジ越え,ランディングエリアはブラインド。なのでキャディが打つべき方向に立ってくれています。


その6番のリッジ上から,フェアウェイを見下ろしたところ。グリーンは左手奥の方向にあります。


レーキは地面に垂直に立てておくのがRye流。


7番パー3。絵画のような光景です。ティーショットはグリーン左のスロープ下に外したものの,そこからバンプアンドランが決まって寄せワンのパー。


8番は右ドッグレッグのパー4。ティーショットが右ラフにいったものの,キャディの指示通りに2打目が打てて,ここもパー。


9番パー4。右手にリッジを見ながら,クラブハウスに戻っていきます。

さてここまで,自己ベストを狙えるんじゃないかというほどの,前半の出来でした。


10番,今度は道路を右手に見ながらのティーショット。前半の結果でメンタルが乱れ,ティーショットはみごとに左OBへ。魔法が解けました。


11番,池越えのティーショット。ウォーターハザードがからむのは,ここだけです。


シンプルでストレートな12番のあと,この13番はホールをリッジが分断。これが2打目で,グリーンはどこにあるのかすら分かりません。


そのリッジの上からグリーンを眺めたところ。これ,キャディがいないと無理です…。


14番パー3。この左の傾斜を利用して,うまいことグリーンをとらえました。それを見てキャディがひとこと,「お前,ここのメンバーか?!」。最高の褒め言葉です。


15番,リッジの谷間を進んでいくパー4。こういったアンジュレーションも,昔からあるんでしょうね。


16番,またリッジでティーショットのランディングエリアが見えないかたちのパー4。このバンカーに,測ったように入れました。


17番パー3はプレーンな印象。


18番パー4。さりげないですが,こういったアンジュレーションが生む美しさ,大好きです。

歴史あるクラブゆえ,クラブハウスの中も魅力的でした。


いろんな名物ホールを描いたこのイラスト,たまに見かけるんですが,出典はどこなんでしょう。


1934年のシガレットカード,3 JOVVIAL GOLFERS,だとか。


友人の家に遊びきたかのような,やさしい空気感。


日本ゴルフ教会70年史もありました


1960年のPresident's Putterにおける6番ホール,だそうです。

ラウンドを終わってクラブハウスの中を見学していたら,クラブの人がわざわざ挨拶に来てくれました。プライベートでお高くとまったクラブだと思っていたのですが,ホスピタリティの高さに感動しました! 


4 March 2016