例えばこれ。UKのゴルフ雑誌による,「バンカーレスのコース,ベスト5」という記事です。その中でRoyal Ashdown ForestのOldコースは,「arguably the finest bunkerless test of golf anywhere」,つまり「ほぼ間違いなく,他のどこよりも良いバンカーレスのコース」と書かれています。
Five Of The Best Bunkerless Courses // GOLF Monthly
http://www.golf-monthly.co.uk/courses/uk-and-ireland/five-of-the-best-bunkerless-courses-142514
The course works its way out and up onto ancient heathland, and there is simply no need for sand as the heather, especially when in bloom, is a far more dangerous and tougher hazard from which to extract a golf ball.
コースは古いヘザーランドの上に走り,単純にバンカーを必要としない。なぜならヘザーが,特にそれが満開のときは,ボールを脱出させるのに遥かに危険でタフなハザードになりうるからだ。
ということで,行ってみました。が,当日は濃霧の影響でスタートが数時間遅れました。5メートル先が見えません。
なんとかプレーがスタート。1番はストレートなパー4です。フェアウェイは左から右に傾斜。
グリーンも大きく傾斜。確かにバンカーがありませんが,まだこれは序の口です。
2番,ティーショットが打ち上げになるパー4。
これは何と呼んだらいいのか。フェアウェイを木の板が横切ります。
3番パー4。グリーン手前に,ご覧の通りのヘザーです。
5番,まっすぐに打ち下ろしていくパー5。バンカーはないけどウォーターハザードはあります。
6番パー3も同様ですね。
7番,打ち上げで右ドッグレッグのパー4。ここも特に右が一面のヘザーです。
8番パー5。ここはグリーン手前がご覧の通りで,確かにバンカーがなくても十分にタフでした。でもこれってやっぱりヘザーという植生あってこそだよなぁと。
9番パー3。少なくとも,ティーからグリーンまでしっかり芝が狩られている日本のパー3ホールとは違います。
10番,ストレートなパー5。ここは打ち上げなこともあり,距離自体がタフさを出しているかたちですね。
11番パー3。打ち下ろしとはいえ,スコアカード上は249ヤードあります。わはは。
12番パー5。ダウンスロープで,フェアウェイは右から左に傾斜。ここはヘザーが戦略的にバンカー代わりに配置されている感じです。
13番,打ち上げのパー4。クロスバンカーならぬ,クロスヘザーとでも言いましょうか。フェアウェイをヘザーが横切ります。
14番パー3。学校の遠足のような,子供たちの集団がいました。
15番パー4。距離はないですが,グリーンがご覧の通りガードされています。
17番,距離の長いパー4。ここは面白いですね。グリーン右手前からのスロープを利用してグリーンを捉えたいところ。
これが18番,打ち上げのパー4です。
ということで,ラウンド中はバンカーレスであることを一瞬忘れるぐらいで,それはきっとヘザーがしっかりとハザードになっていてタフに感じられたからだと思います。一方で,Tom Doakがどこかで書いていましたが(たぶん下の本だと思う),少しだけバンカーを配置したらもっと面白くなるホールがあることも事実です。
The Anatomy of a Golf Course: The Art of Golf Architecture
posted with amazlet at 17.10.14
Burford Books (2013-05-09)
そういう意味では,bunlerlessである事実は少しoverratedだと思うのですが,とはいえひとつのコース設計のあり方として,興味深い例であるのは確かです。
13 March 2016